なぜこの話を書くか
「公務員なのに副業って、ダメなんじゃないの?」
そう思っている方は、かなり多いと思います。かつての私もそうでした。
でも令和8年4月から、国家公務員の副業ルールが大きく変わりました。「知識・技能を活かした自営」と「社会貢献に資する事業」が、条件付きで正式に認められるようになったのです。
これは単なる制度の話ではありません。「公務員はただ本業だけをやっていればいい」という時代が、少しずつ変わり始めているというシグナルだと、私は受け取っています。
結論:公務員でも副業はできます。ただし「承認」が必要です
先にお伝えします。
今回の改正で認められた副業の典型例は、こういったものです。
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ハンドメイド品・写真・音楽のネット販売
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スポーツや芸術の教室を自分で開催する
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自費出版(Kindle出版やnote有料記事はここに含まれると解釈できます)
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ブログやYouTubeのAdSense広告収入(ただし厳しい目で見られます)
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地域イベントの主催、高齢者への買い物代行
つまり、「自分の得意なことを個人で売る」系の副業は、条件を満たせばOKになりました。
ただし重要なのが「承認」という手続きです。これを踏まずに始めると、懲戒処分どころか最悪1年以下の拘禁刑というリスクもあります。まず申請ありき、です。
体験:公務員として、このニュースをどう受け止めたか
私は現役公務員として、この制度改正を知ったとき、正直「ようやくか」という気持ちになりました。
副業を考えたことがある公務員は、職員アンケートで3割を超えているというデータもあります。みんな、心のどこかで「本業だけじゃない自分」を試してみたいと思っていたのではないでしょうか。
ただ、制度を読み込んでみると、決して「自由に何でも副業OK」というわけではないことがわかりました。承認までの道のりは、けっこう真剣に準備が必要です。
承認の3大条件を整理するとこうなります。
① 職務との利害関係がないこと → 自分の職場が補助金を出したり許認可を持つ事業はアウトです
② 職務遂行に支障がないこと → 原則、週休日のみ。時間の目安は週8時間・月30時間までです
③ 公務の公正性・信頼性を損なわないこと → 組織の肩書きを使ったり、所属組織の政策に絡む発言はNGです
ブログやYouTubeについては「一概に否定されない」とされていますが、炎上リスクがあるため特に慎重な審査が行われると明記されています。情報発信系の副業は、内容の公正さを常に意識する必要があります。
学び:この制度から、私たちが得られる視点
この制度改正から、私が読み取ったことが3つあります。
1. 「副業は本業を豊かにする」という考え方が公式になりました
人事院の報告書には「自営兼業は本業にも好影響を与え得る」と明記されています。これは単なる制度論ではなく、学び続ける姿勢が本業にも返ってくるという人材観の転換だと思います。
2. 「20万円の壁」は、副業を始める目安にもなります
年間の収入見込みが20万円を超えると「自営」と判断され、承認が必要になります。裏を返せば、20万円以下の規模感でテスト的に始める(一時所得として扱う)という発想が、リスク管理として合理的かもしれません。
(もちろん、所属長の判断次第で届出が必要な場合もありますので、確認は必須です)
まぁ、副業を始めてすぐに収益がポンポン発生するって、正直レアケース。定期収入に育つまでは「趣味でやってます!」と説明できる範囲で継続すればいいかと。
3. 手続きの重さが、副業の本気度を問うています
開業届、事業計画書、承認申請書——これだけの書類を整えて初めて副業を始められます。「ちょっと小遣い稼ぎ」では通らない設計になっています。それはある意味、副業を「事業として真剣に向き合う」ことを制度が求めているということではないでしょうか。
まとめ:次に何をするか
なお、地方公務員の場合は、各自治体のルールに則って行われます。今回の国家公務員のルールに準ずる可能性が高いですが、一度自分の自治体のルール(兼業の手引など)を必ず確認しましょう。
公務員として副業を考えているなら、まず所属する府省(自治体)の上司に相談することが第一歩です。制度は整いましたが、承認の基準は各府省・各自治体の判断に委ねられる部分が大きく、「他の人が通ったから自分も通る」とは限りません。
また、労働組合への相談もおすすめです。組合は職員の権利や働き方に関する情報を豊富に持っており、申請前の情報収集や、担当部署への相談に踏み出すための心強い味方になってくれます。「まず誰かに話してみたい」という段階では、組合窓口が相談しやすい場合もあります。
大切なのは、「承認が通るか」より先に「自分が何をしたいか」を明確にすることだと思います。事業計画書を書くという行為自体が、自分の副業の輪郭を鮮明にしてくれるはずです。
公務員だって、学び続けていいんです。外の世界で挑戦していいんです。そのための扉が、少し大きく開きました。
現役公務員(技術職)|穂月 悠
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参考データ
自営兼業制度の見直しについて(人事院)
~ 自己実現・社会貢献につながる兼業が承認可能に ~